哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

『脳がわかれば』刊行記念トークイベント☆青山ブックセンター

6月17日(金)の夜、山本貴光くんとトークイベントに出演します。

  • 山本貴光+吉川浩満「『脳がわかれば心がわかるか』(太田出版)刊行記念――「脳と心、科学と哲学」の関わりをめぐる、超入門から最先端の問いまで。山本貴光+吉川浩満 トークイベント」

日時:2016年6月17日(金)19:00~20:30
会場:青山ブックセンター本店内小教室
料金:1,350円(税込)
定員:50名様

イベント詳細、ご予約は下記リンクより。ふるってご参加ください!
http://www.aoyamabc.jp/event/brain-mind/

「脳と心、科学と哲学」の関わりをめぐる、超入門から最先端の問いまで。 山本貴光+吉川浩満 トークイベント

【イベント告知文より】

しばらく前から、脳科学の成果が広く紹介されるようになり、脳の働きに感嘆することが多くなりました。1,000億ともいわれるニューロン(神経細胞)の集まりである脳が、私たちの心理や行動──知覚、判断、感情、意志、欲望、行動、等々──とどのように関わっているか、だんだんわかってきたからです。

そして、感嘆するだけでなく、自分の一部である脳に自分自身が支配されていると感じられ、不安にかられることもあるのではないでしょうか。「無意識」が広く深く私たちの生を左右しているし、「意識」すらも「私」の思うままにならず、ぴったり重ならないようであるからです。

そんなときときです。こんな言葉に出会うのは。

1 脳の働きが○○なの「だから」、あなたの行動や感情や思考は××になる
2 あなたの××という行動や感情や思考は、「じつは」脳の○○という働きにすぎない

こうした言葉がもつマジックのような誘いに、ついうかうかとついて行きそうになります。でも、ここで立ち止まって考えてみなければなりません。

それが『脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座』のテーマです。「脳と心、科学と哲学」の関わりをじっくり考える著作。旧版『心脳問題──「脳の世紀」を生き抜く』から12年を経た増補改訂版です。

今回は、著者のお二人に、脳科学と心脳問題(哲学)の関わりをときほぐし、脳科学の魅力や魔術と冷静につきあうための処方箋を語っていただきます。哲学や脳科学の専門知識は不要、超入門から最先端のテーマ(人工知能、シンギュラリティ等々)までをカバーします。

脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座 (homo Viator)

脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座 (homo Viator)

私が生きづらいのは進化論のせいだと思うんですけど、と山本さんは言った。(再)

昨年12月の『αシノドス』に掲載された文章がシノドスのサイトに転載されました。どなたでもご覧になれます。

  • 生きづらいのは進化論のせいですか?――『理不尽な進化 遺伝子と運のあいだ』著者、吉川浩満氏インタビュー

生きづらいのは進化論のせいですか?

シノドスのインタビュー名人、山本菜々子さんによる記事です。ちょっとだけ引用。

ある自然科学の専門家が、本書を読んで「凡人の考えを撃って何がおもしろいのか」という趣旨のコメントをしているのを見かけたことがあります。

言いたいことはよくわかります。 (中略)もし進化論という学問を発展させたいならば、凡人にかかずらうことなく、非凡な研究者や研究成果と付き合い、新しい知見を生みだす努力をしなければなりません。もちろん私も一人の進化論ファンとして研究の進展を願っています。でも、それは私の仕事ではありません。専門家の仕事です。

では、何がしたかったのか。それは、進化論を語るときに凡人たる私たち一般人は実際のところ何をしていることになるのか、これを理解することでした。この社会に流通している進化論のイメージが、科学の世界で運用されている進化論と違うことは、ちょっと調べればすぐにわかります。でも、どうしてこのような乖離が生じるのか、それによって私たちにはどんな利得や損失があるのか、これを考えてくれる人はめったにいません。

どれだけ成功したかは心許ないにせよ、本書で私はこのことについて考え、とりあえずの仮説を提示しました。先に述べたように、私たちは進化論を言葉のお守りのように使用しているのではないかということ、そしてそれは自然淘汰説がもつ独特の性質によって導かれるものではないかということ、これがその仮説です。

結果として「凡人の考えを撃って」いるように見えることもあるかもしれませんが、私の関心は批判や教化を行うことではなく、あくまで理解することにあります。

ふだん私たちは何を考えているのか、何をしていることになるのか。これが関心であり、これはこれでひょっとしたら、私たち現代人のセルフ・ポートレイトあるいは現代社会の習俗を伝える社会人類学的資料として、非凡な成果につながるかもしれない仕事だと思っています。

SYNODOS -シノドス-

an・an☆人生を変える本。

雑誌『an・an』で拙著『理不尽な進化』が紹介されました。

多謝!

人生を変える本 - anan No. 2007 | マガジンワールド

マームとジプシー

初登場☆雑誌『アイデア』

本年3月に横浜で開催されたトークイベント「クリティカル・デザイン・スクール」の記録です。

  • 吉川浩満「クリティカル・デザイン・スクール[グラフィック篇]第2回 デザインについて語るとき我々が 語ること」、『アイデア』誠文堂新光社、2016/7

アイデア 2016年 07 月号

アイデア 2016年 07 月号

加島卓さん、永井幸輔さん、石岡良治さんという豪華メンツとともにお邪魔しています。

クリティカル・デザイン・スクール[グラフィック篇]
グラフィックデザインの周辺からグラフィックデザインを再定義してみる

構成:長田年伸
デザイン:加藤賢策(LABORATORIES)

3回にわたって開催されたクリティカル・デザイン・スクールでは,加島卓,永井幸輔,吉川浩満,石岡良治ら,社会学,法律,哲学,表象文化論の各領域の最前線で活躍する講師を招き,それぞれの専門からグラフィックデザインという領域に光をあて,再検討・再構築する視点を探ることに挑戦した。浮かび上がったのは,ネットワーク化とグローバ ル化のなかで,あらゆる事象の全体像をつかむことがいっそう困難になりつつある時代に,グラフィックデザインを批評的に語るための可能性である。これからのグラフィックデザインを我々自身が考え,語り,定義することへの試み。

第1回 東京五輪2020エンブレム騒動以後のグラフィックデザイン
ゲスト:加島卓(社会学),永井幸輔(弁護士/Arts and Law)
第2回 デザインについて語るとき我々が 語ること
ゲスト:吉川浩満(文筆家)
第3回 視覚デザイン「超」講義
ゲスト:石岡良治(表象文化論)

見た目も中身も贅沢な雑誌。

IDEA Magazine | アイデア - 世界のデザイン誌

書評連載第6回☆『KOKKO』

雑誌『KOKKO』での連載書評、第6回目はシンギュラリティ(技術的特異点)についての本。雑誌の発売は6月10日の予定。

  • 吉川浩満「書評 第6回|マレー・シャナハン『シンギュラリティ――人工知能から超知能へ』」、日本国家公務員労働組合連合会『KOKKO』第10号、堀之内出版、2016/6

KOKKO 第10号 | 日本国家公務員労働組合連合会(著/文 他) - 堀之内出版

これまでの歩み。

  1. カフカ『ポケットマスターピース01 カフカ』
  2. アトキンソン『21世紀の不平等』
  3. アレクシエーヴィッチ『チェルノブイリの祈り──未来の物語』
  4. 浅野智彦『「若者」とは誰か――アイデンティティの30年 増補新版』
  5. ヒース『啓蒙思想2.0』

シンギュラリティ:人工知能から超知能へ

シンギュラリティ:人工知能から超知能へ

  • 作者: マレー・シャナハン,ドミニク・チェン,ヨーズン・チェン,パトリック・チェン
  • 出版社/メーカー: エヌティティ出版
  • 発売日: 2016/01/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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horinouchi