新刊☆『脳がわかれば心がわかるか』
本が出ます! 本日見本出来、来週あたりには本屋さんに並ぶと思います。
- 山本貴光+吉川浩満『脳がわかれば心がわかるか――脳科学リテラシー養成講座』太田出版、2016/5
脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座 - 太田出版
2004年に刊行した最初の本『心脳問題――「脳の世紀」を生き抜く』(朝日出版社)の増補改訂版です。
はんらんする脳科学・脳情報に振り回されず、「脳の時代」を生き抜くための処方箋を示した、平易かつ本質的なマップ(『心脳問題』2004年、朝日出版社刊)から12年を隔てた増補改訂版。改訂にあたって改題しました。
【著書から|増補改訂版に寄せて】
「旧版刊行から約10年、じつにたくさんのことがありました。本書のテーマである心脳問題をめぐる状況も大きく動いています。
たとえば、脳科学における知見の蓄積、神経美学や神経経済学といった新分野の興隆、あるいは脳波によってコンピュータを操作するブレイン゠マシン・インターフェイスのような技術の発展は、旧版で論じた問題をさらに先鋭化させています。これまで技術的な限界もあってウヤムヤのままにしてきた諸問題に、私たちはいよいよ直面しつつあるのです。
それだけではありません。私たちの無意識のバイアス(認知の偏り)を暴きだす行動経済学の知見や、数度目のブレイクスルーを果たしつつある人工知能研究は、脳科学とは別の角度で、私たちの自己認識と社会のあり方を根底から変えつつあります。いまや心脳問題自体が些細な問題となりつつあるのではないかとすら思えるほどです。
しかし、それは心脳問題の解決を意味しません。本文で確認するとおり、心脳問題は私たちの心と身体をめぐるもっとも根本的な哲学問題であり、これからも何度でも回帰してくるでしょう。見ぬふりを決め込むのでもなければ、このような厄介な問題に対処する方法は多くありません。ひとついつでも有効な手は、問題そのものの性質や条件を、一度は真正面から考え抜いてみることです。たとえ解決はできなくても、理解することが力になります。諸科学の知識と技術によって人間の定義そのものが揺らぎつつある現在、あらためて何が問題であるかを示す里程標として、この増補改訂版を提示する次第です。」
(「増補改訂版へのまえがき」より)【目次】
増補改訂版へのまえがき
初版まえがき
第1章 脳情報のトリック──カテゴリー・ミステイクとパラドックス
[間奏]頭がよくなる?
第2章 心脳問題の見取図──ジレンマと四つの立場
[間奏]脳研究小史
第3章 心脳問題の核心──アンチノミーと回帰する疑似問題
[間奏]デカルトの神話
第4章 心脳問題と社会──社会と科学、そして生
終章 持続と生──生成する世界へ
補章 心脳問題のその後
作品ガイド
索引
初版あとがき
増補改訂版へのあとがき
ブックデザインとイラストは旧版と同じく有山達也さんとワタナベケンイチさん。今回のリニューアルのために新しくつくりなおしてくれました。旧版とはまったく異なる雰囲気の本になっています。
ぜひお手にとってみてください。
DJセットリスト☆猫町ナイト20160514
20160514@渋谷FLAME TOKYO
- My Philosophy (Intro) - Boogie Down Productions
- War - Edwin Starr
- ふざけるんじゃねえよ - 頭脳警察
- Walk Like an Egyptian - The Bangles
- traveling - 宇多田ヒカル
- When Doves Cry - Prince
- 愛はおしゃれじゃない - 岡村靖幸w小出祐介
- Psycho Killer - Talking Heads
- What a Wonderful World - Joey Ramone
Boogie Down Productions - My Philosophy
"War" by Edwin Starr (Original Video - 1969)
The Bangles - Walk Like an Egyptian
『錯乱の日本文学』鼎談☆早稲田文学
石川義正『錯乱の日本文学──建築/小説をめざして』(航思社)の刊行を記念した『早稲田文学』の企画にお邪魔しました。著者の石川義正さん、建築家の日埜直彦さんとの鼎談です。
- 石川義正×日埜直彦×吉川浩満「小説と建築の間に」、『早稲田文学』2016年夏号、早稲田文学会/筑摩書房
- 作者: 早稲田文学会
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2016/05/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
今号の編集委員企画特集は角田光代さんの「新人賞のその後」。新人賞受賞者、受賞予定者は参考にしてください。
また、5月病対策の「新入生にすすめる本」特集も。岸政彦さん、千葉雅也さん、大澤真幸さんらの豪華執筆陣です。
ぜひご覧ください。
- 作者: 石川義正
- 出版社/メーカー: 航思社
- 発売日: 2016/04/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
またまたDJ☆猫町ナイト渋谷
よろしく。
- 【東京】猫町倶楽部のクラブイベント“猫町ナイト”
http://www.nekomachi-club.com/schedule/31008www.nekomachi-club.com
■日時:2016年5月14日(土)19:15 OPEN 19:30~23:00
■場所:FLAME TOKYO 東京都渋谷区円山町2-4 ジーカンスビル1F 【地図】
■参加方法:開催時間中(19:30~23:00)いつ来てもいつ帰ってもOK
■参加費:2000円(別途ドリンク代500円を当日受付でお支払ください)
■当日参加も可能(当日現金払いの方は、2500円+ドリンク代500円)
■ゲストDJ:國分功一郎/二村ヒトシ/紫原明子/鈴木淳史/吉川浩満 AND MORE...
猫町倶楽部の中で唯一、本を読まなくても参加できるイベントです。
会場立地も最高。ぜひ遊びにきてください。
試験に出る哲劇(再)
- 作品メモランダム「試験に出る哲劇」2015-04-18
山本貴光くんの『文体の科学』が、今年の上智大学の入学試験に出題されたそうです(上記は昨年のエントリーです)。
拙著『理不尽な進化──遺伝子と運のあいだ』も、今年は近畿大学、亜細亜大学、関西福祉科学大学の入学試験に出題されたようです(いずれも国語)。
試験であれなんであれ、高校生に拙著を読んでもらえるというのは、私にとっては大きな喜びです。受験生にとって嫌な思い出にならなければよいのですが。
というわけで、受験を控えるお子さまをお持ちの親御さんは、哲劇関連書籍を買い与えるとよいかもしれません(その前に受験勉強ちゃんとやれということかもしれませんが)。
- 作者: 山本貴光
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/11/27
- メディア: 単行本
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- 作者: 吉川浩満
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2014/10/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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