哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

Walking the Tightrope of Reason


出先から更新。

哲学棚をぶらぶらしていたら、ひときわ鮮やかなブルーの装丁が目にとまった。帯には「おっとっと!」という文句。

  • ロバート・フォグリン『理性はどうしたって綱渡りです』野矢茂樹、塩谷賢、村上祐子訳、春秋社、2005

理性はどうしたって綱渡りです

理性はどうしたって綱渡りです

野矢茂樹氏ら3人が翻訳。同じ春秋社から昨年刊行された『ここからはじまる倫理』を思い出させる企画。野矢氏も一枚噛んでいることだし、目次も気に入ったし、わたしはこういう「一般向けの哲学本」に弱い(*)ので、そのままレジに持っていってしまった。

  • (*)自分でもいつか「一般向けの(=非専門家〈も〉読める)スゴイ本」を書けたらどんなにいいだろうと夢想しているのである(まぁ無理だろうけど)。それでいつも「成功例」(=お手本)を探しているといった次第。いまパッと思いつくのは、大森荘蔵『流れとよどみ――哲学断章』(産業図書)、野矢茂樹『哲学の謎』『無限論の教室』(講談社現代新書)、田島正樹『魂の美と幸い――哲学形式としてのエセー』(春秋社)、永井均『翔太と猫のインサイトの夏休み』『私・今・そして神――開闢の哲学』(ナカニシヤ出版/講談社現代新書)、トマス・ネーゲル『哲学ってどんなこと?――とっても短い哲学入門』(昭和堂)、等々。

で、下記は目次。

 はじめに
 序論
第1章 どうして論理法則に従わなければならないのか
第2章 ディレンマとパラドクス
第3章 純粋理性とその幻想
第4章 懐疑論
 デカルト主義的な懐疑論
 ヒューム的な懐疑論
 ピュロン主義の懐疑論
第5章 挑戦に対して穏健に答える
第6章 好みの問題
第7章 結語
 註
 訳者あとがき
 参考文献

春秋社