哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

哲学の門前#04「ゴムボートとタイタニック」☆scripta

忘れた頃にやってくる紀伊國屋書店出版部の無料冊子『scripta』連載「哲学の門前」第4回。

上記ウェブストアから電子書籍版をダウンロードできるようになる予定。無料!

井上奈奈さん☆誰も知らない話 12冊 × 12人

画家・絵本作家の井上奈奈さんの個展に参加しています。

  • 【選書】井上奈奈展「誰も知らない話 12冊×12人」、銀座ギャラリー枝香庵、2017/6/11-18

コンセプトは下記のとおり。2017年6月11日から6月18日まで、銀座のギャラリー枝香庵にて開催中。私も17日あたりお邪魔しようと思います。

12枚 × 12冊 × 12人
http://echo-ann.jp/exhibition.html?id=306

本を読むこと
絵を見ること

両者は時に想像もしない場所に人を誘い
その後の人生を変えてしまう可能性を秘めている
それは行き先のきまっていない「旅」のようでもある

画家井上奈奈によって描かれた12枚の絵
そして12冊の本

本展では12枚の絵に描かれた主人公が
どんな本を愛読しているか
各分野の第一線で活躍する人たちが選書し
その本を絵とともに展示します

見る者と描く者の間に生まれた
「誰も知らない話」

鑑賞者を思いもよらない旅に連れ出してくれることを
この展覧会の目的としたい

Book Selector
Title店主辻山 良雄
動物写真家前川 貴行
文筆業吉川 浩満
北極冒険家荻田 泰永
キュレーター澤 隆志
Art attendant浪川 恵美
ブックデザイナー小口 翔平
イベントプロデューサーテリー植田
建築家大橋 史人
編集者小林 えみ
ホリプロアナウンサー須賀 由美子
時事通信出版局代表取締役松永 努

d.hatena.ne.jp

人生がときめく#09☆webちくま

人生がときめく知の技法をエピクテトス先生から教わるウェブ連載。山本貴光くん id:yakumoizuru との共著。

www.webchikuma.jp

隔週更新の予定。お楽しみに。☞ 人生がときめく知の技法|webちくまバックナンバー

語録 要録 (中公クラシックス)

語録 要録 (中公クラシックス)

人生談義〈上〉 (岩波文庫)

人生談義〈上〉 (岩波文庫)

人生談義〈下〉 (岩波文庫)

人生談義〈下〉 (岩波文庫)

世界の名著 (14) キケロ エピクテトス マルクス・アウレリウス (中公バックス)

世界の名著 (14) キケロ エピクテトス マルクス・アウレリウス (中公バックス)

幸福論 (第1部) (岩波文庫)

幸福論 (第1部) (岩波文庫)

www.webchikuma.jp

ファーブル特集☆kotoba

多様性を考える言論誌『kotoba』に初登場。ファーブル『昆虫記』特集に随筆を寄稿しました。

kotoba(コトバ)2017年夏号

kotoba(コトバ)2017年夏号

超豪華執筆陣です。ご覧ください。

http://www.shueisha-int.co.jp/blog/?p=12448

『ファーブル昆虫記』というと、少年が読むものというイメージがありますが、完訳版は大人が読むべき博物学の名著です。ダーウィンの進化論に対する徹底的な反駁のほか、生物の多様性や神秘性を再発見する、驚きに満ちた内容。今回は、フランス文学者で『完訳ファーブル昆虫記』(集英社)の翻訳者・奥本大三郎さんの監修のもと、この大著を特集しました。

巻頭言では、『昆虫記』が書かれた経緯とその内容について奥本さんが解説してくださっています。

「彼はフィールドノートを取り、長い間構想を練って、昆虫そのものと、それを観察している自分という人間の心の動きを描写している。(中略)そこに数学の想い出だとか、息子の死の悲しみだとか、自分の育った南仏ルーエルグ地方の農民の生活だとか、自伝的、人間的、風土的要素を含む文章まで差し挟んでいるのである」。

そう、『ファーブル昆虫記』に綴られていることは、昆虫の話のみに留まらないのです。

パート1「ファーブルと進化論」では、生物学者・福岡伸一さんが、現在の進化論だけでは説明しきれないものが自然の中には満ち溢れていると主張。「私たちはしばしば自分が想定した仮説やモデルやメカニズムに固執し、その前提に囚われるあまり、自然のほんとうの姿を見失いがちになる」と警告されています。

パート2「ファーブルから学んだ」では、昆虫学者・丸山宗利さんが、「ファーブルと多様性」について、ご自身が研究されている昆虫分類学をもとに紹介。「「種の多様性」「生態系の多様性」「遺伝子の多様性」はいずれも生物の多様性を知るうえで重要なものであるが、『昆虫記』はすべてに関して重要な情報と示唆を含んでいる」と称えています。

パート3「ファーブルの時代」にご寄稿いただいたのは、フランス文学者の鹿島茂さん。教養こそが社会的地位を上層させるための唯一の武器とされていた19世紀は、伝統的社会から近代社会へ移行しつつあった時代です。当時のフランスの文化的・教育的背景について、鹿島さんに解説していただきました。

この他にも、ファーブルがつないだ日本のハチ学や糞虫研究、ダーウィンとファーブルの往復書簡など、偉大なる昆虫学者の知られざる一面に光を当てた読み応えのある記事がそろいました。

ぜひ書店で手に取ってご覧ください。

完訳ファーブル昆虫記 第1期 1-5巻 全10冊セット(化粧ケース入り)

完訳ファーブル昆虫記 第1期 1-5巻 全10冊セット(化粧ケース入り)

完訳ファーブル昆虫記 第2期 6-10巻 全10冊セット(化粧ケース入り)

完訳ファーブル昆虫記 第2期 6-10巻 全10冊セット(化粧ケース入り)

shinsho.shueisha.co.jp

『カタストロフ・マニア』書評☆新潮

文芸誌『新潮』に、島田雅彦さんの新作小説『カタストロフ・マニア』の書評を寄稿しました。

  • 吉川浩満「フロム・カタストロフ・ティル・ドーン――島田雅彦『カタストロフ・マニア』論」、『新潮』2017年7月号、新潮社

新潮 2017年 07 月号 [雑誌]

新潮 2017年 07 月号 [雑誌]

カタストロフ・マニア

カタストロフ・マニア

太陽のコロナ質量放出や致死性ウィルスのパンデミックによって現代文明が崩壊するパニック‐サヴァイヴァル‐サイバースペースSFリアリズム小説です。おもしろいのでぜひ読んでみてください。

上記原稿には書きませんでしたが、映画化の企画も(私の頭の中だけで)進行中です。主人公のシマダミロクは山田孝之、癒やし声の看護師の国枝さんは門脇麦、元女優の白鳥姫星は斉藤由貴、謎の中年男モロボシは塚本晋也、天才ハッカーの菊千代は濱田岳、シェルターから脱出してきた精神科医の白瀬は吹越満、というのはいかがでしょうか。

www.shinchosha.co.jp
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