哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

My Unwritten Books

台風の日。我が家の鳥獣たちのかたわらで、ひさしぶりに一日じゅう家にこもり読書をして過ごした(こんな過ごしかたをしたのは本当にひさしぶり。2、3年ぶりだろうか)。

  • ジョージ・スタイナー『私の書かなかった本』みすず書房、2009
私の書かなかった本

私の書かなかった本

近所の書店にて、これは図書館で十分かなと思いつつ中身を覗いていたのだが、所収の章「人間と動物について」に強く激しく触発されていまい、気がついたときにはもう本書を手にレジ前に並んでいて万事休す。

偉い人にしか書けない素敵な本。

こういう本は、ものすごくたくさん本を書いた人か、あるいはまったく一冊も本を書かなかった人が書くと、とてもかっこよくキマる。中途半端な輩(たとえば小生とか)では冗談にもならない。