哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

ラマチャンドランさん、ふたたび


神保町探索。ラマチャンドランの新作を入手。

  • V・S・ラマチャンドラン『脳のなかの幽霊、ふたたび――見えてきた心のしくみ』山下篤子訳、角川書店、2005

脳のなかの幽霊、ふたたび 見えてきた心のしくみ

脳のなかの幽霊、ふたたび 見えてきた心のしくみ

名著であった前邦訳作(『脳のなかの幽霊』)をそのまんま踏襲した邦題(装丁もそのまんま)。ちなみに原題はThe Emerging Mindという。直訳すれば「創発する心」とでもなろうか。2003年に刊行。

今回はサンドラ・ブレイクスリーと組まずにひとりで書き下ろしたのかなと思ってページをめくってみると、なんとあのリース講演をもとにした作品であることがわかった。リース講演に医師・実験心理学者が招かれたのは初めてのことだそうだ。

ちなみに、リース講演とはBBCイギリス放送協会)で放映される教養番組のシリーズで、第1回(1948年)の講演者はバートランド・ラッセル。ほかにピーター・メダワー、アーノルド・J・トインビー、ロバート・オッペンハイマージョン・サール、エドワード・W・サイードなどが登場している。いま思いつくかぎりでは、ラッセル『権威と個人』(南雲堂)、サール『心・脳・科学』、サイード『知識人とは何か』はこのリース講演をもとにした作品である。

目次は下記のとおり。

第1章 脳のなかの幽霊
第2章 信じることは見ること
第3章 アートフルな脳
第4章 紫色の数字、鋭いチーズ
第5章 神経科学――新たな哲学

下は前作『脳のなかの幽霊』。

脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)

脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)

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