哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

『GRAPHICATION』


帰宅すると『GRAPHICATION』(富士ゼロックス企業広報誌)の最新号が届いていた。めくってみると師の文章が(いつだって教えてくれないんだから)。

以下は簡単な内容紹介。ご興味のあるかたは購読の申し込みを。

経済協力開発機構OECD)による学力調査の結果を糸口にして、適切な「情報との接しかた」を考える。

流通する記号がすなわち情報なのではない。人間が記号に意味を見出してはじめてそれが情報となる。だから情報編集力が大事になる。では、情報編集とはなにか。それは(本人が意識するしないはべつとして)記号との遭遇における、1.仮説の設定、2.仮説からの推論、3.推論結果と事柄との合致の検証、という3つの過程からなる。では、情報を受容するだけではなく発信するにはどうすればよいか。それは、先の3つの過程を逆にたどることだ。まず、すでに存在するさまざまな記号の組み合わせを試みてみる。その過程で、新しい組み合わせのなかに、以前にはなかった意味を見出せるようになる。それが創造である。新しい意味を創造し、その意味を記号化し伝えることが情報の発信になる。

以上のように、記号と情報との差異、情報と意味の不可分性に十分に注意しなければならない、云々。

◇作品メモランダム > 赤木昭夫氏の仕事
http://d.hatena.ne.jp/yakumoizuru/20020107/p1