哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

哲学

「双書 現代哲学」刊行開始

勁草書房より、「最近20年の分析的な哲学の古典を紹介する翻訳シリーズ」である「双書 現代哲学」がスタート。第1回配本は下記のドレツキ本。 フレッド・ドレツキ『行動を説明する――因果の世界における理由』水本正晴訳、勁草書房、2005 行動を説明する―因果…

エミール・ブレイエさん、ご無沙汰してます

エミール・ブレイエ(*)のストア哲学研究書が近々刊行されるとのこと! 月曜社ウェブサイトの近刊情報より。 (*)既訳は『哲学の歴史(1〜3)』(筑摩書房)、『現代哲学入門』(岩波新書)くらいかな。 エミール・ブレイエ『初期ストア哲学における非物体…

スタンリー・キャヴェル、邦訳刊行

スタンリー・カベル『センス・オブ・ウォールデン』齋藤直子訳、法政大学出版局、2005 センス・オブ・ウォールデン (叢書・ウニベルシタス)作者: スタンリーカベル,Stanley Cavell,齋藤直子出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2005/10メディア: 単行本 …

デリダの明日(はどっちだ?)

新宿セミナー@Kinokuniya「デリダの明日:2005年/危機と哲学──国家・政治・文化・想像力」講師:小林康夫×鵜飼哲×西山雄二×萱野稔人日時:11月3日(木・祝)14:00開演(13:30開場)料金:1,000円(全席指定・税込)会場:新宿・紀伊國屋ホール(紀伊國屋書…

公開シンポジウム「ケアと自己決定」

東京大学大学院人文社会系研究科21世紀COE研究拠点形成プログラムによる公開シンポジウム。 公開シンポジウム「ケアと自己決定」日時:2005年11月26日(土) 13:00-場所:東京大学医学部2号館本館 大講堂提題者:立岩真也(社会学/立命館大学) 川本隆史(社…

2005年のラッセル論

三浦俊彦『ラッセルのパラドックス――世界を読み換える哲学』岩波新書、2005 ラッセルのパラドクス―世界を読み換える哲学 (岩波新書 新赤版 (975))作者: 三浦俊彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/10/20メディア: 新書購入: 1人 クリック: 28回この商品…

怒りについて

怒りを治す最良の薬は「引き延ばし」である。このことを最初に怒りに要求すべきであるが、それは相手を許すためではなく、判断するためである。怒りの最初の衝撃は激しいが、待つならば静まることになる。また、それを一挙に全部取り去ろうとするのもよくな…

ドゥルーズ――KAWADE道の手帖

『KAWADE道の手帖 ドゥルーズ――没後10年、入門のために』河出書房新社、2005 ドゥルーズ KAWADE道の手帖作者: 河出書房新社編集部出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/10/21メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 14回この商品を含むブログ (23件) を…

デリダ、サール、絓秀実

絓ゼミにて「デリダ‐サール論争」の紹介とコメント。 ジャック・デリダ『有限責任会社』高橋哲哉、宮崎裕助、増田一夫訳、法政大学出版局、2003 有限責任会社 (叢書・ウニベルシタス)作者: ジャックデリダ,Jacques Derrida,高橋哲哉,宮崎裕助,増田一夫出版社…

セクストス・エンペイリコス本

こんな本が出ていたとは……。知らなかった。 田中龍山『セクストス・エンペイリコスの懐疑主義思想――古代懐疑主義をめぐる批判と回答』、東海大学出版会、2004 セクストス・エンペイリコスの懐疑主義思想―古代懐疑主義をめぐる批判と回答作者: 田中竜山出版社…

on John R. Searle(ジョン・R・サール)

◇UC Berkeley > Professor John Searle - 教員プロフィールhttp://socrates.berkeley.edu/~jsearle/◇Professor John Searle > Bibliography - Wordファイルhttp://socrates.berkeley.edu/~jsearle/biblio.doc◇Professor John Searle > Photos - 写真(Octobe…

人格の同一性

新刊ならぬ旧刊情報。サール『Mind』における「人格の同一性」(Personal Identity)についての訳文検討のお伴に。 シドニー・シューメーカー『自己知と自己同一性』菅豊彦、浜渦辰二訳、勁草書房、1989 シドニー・シューメイカー、リチャード・スウィンバー…

真理の探究

書店で少し立ち読みしてみて、やっぱりじっくり読んでみたい気になった。布団の中で。 村上勝三編『真理の探究――17世紀合理主義の射程』知泉書館、2005 真理の探究―17世紀合理主義の射程作者: 村上勝三出版社/メーカー: 知泉書館発売日: 2005/06メディア: 単…

『社会研究の哲学』読書会

John Hughes and Wes Sharrock, The Philosophy of Social Research (Third Edition), Longman, 1997 The Philosophy of Social Research (Longman Social Research Series)作者: John A. Hughes,W. W. Sharrock出版社/メーカー: Routledge発売日: 1997/12/1…

再登場☆『図書新聞』

約一年ぶりの『図書新聞』登場。 山本貴光+吉川浩満「カトリーヌ・マラブー『わたしたちの脳をどうするか――ニューロサイエンスとグローバル資本主義』書評」、『図書新聞』第2741号(2005年9月10日号)、図書新聞 『図書新聞』に、カトリーヌ・マラブー『わ…

『社会研究の哲学』読書会

John Hughes and Wes Sharrock, The Philosophy of Social Research (Third Edition), Longman, 1997 The Philosophy of Social Research (Longman Social Research Series)作者: John A. Hughes,W. W. Sharrock出版社/メーカー: Routledge発売日: 1997/12/1…

『科学哲学』@文庫クセジュ

著者ドミニック・ルクールについては、『ポパーとウィトゲンシュタイン――ウィーン学団・論理実証主義再考』(国文社)、ガストン・バシュラール『科学認識論』(白水社)の編集、それにジャック・ブーヴレスが投げつけた強烈な皮肉(『アナロジーの罠』の註…

サール『Mind』翻訳/エディ・ヴァン・ヘイレン紀元

昨日は相棒(id:yakumoizuru)と進行中の単行本翻訳について、出版社の方々と久しぶりに打ち合わせをした。いよいよだなぁ、と身が引き締まる思いである(ついでにボディも引き締まってくれたら一石二鳥なのだがそうは問屋が以下略)。目下鋭意翻訳中の本と…

哲学者の誕生 etc.

新刊、近刊情報。以下、気になるものをいくつかピックアップ。 納富信留『哲学者の誕生――ソクラテスをめぐる人々』ちくま新書、2005 哲学者の誕生 ソクラテスをめぐる人々 ちくま新書 549作者: 納富信留出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/08/08メディア…

Walking the Tightrope of Reason

出先から更新。哲学棚をぶらぶらしていたら、ひときわ鮮やかなブルーの装丁が目にとまった。帯には「おっとっと!」という文句。 ロバート・フォグリン『理性はどうしたって綱渡りです』野矢茂樹、塩谷賢、村上祐子訳、春秋社、2005 理性はどうしたって綱渡…

サラ・コフマン讃

わたしにとってサラ・コフマンとは、フロイト論のサラ・コフマンではなく、またニーチェ論のサラ・コフマンでもなく、はたまたフェミニズムのサラ・コフマンでもなく、『窒息した言葉』のサラ・コフマンであった。理由は簡単で、『窒息した言葉』にはおおい…

犬描写、第三の大家

先日、わたしは次のような記事を書いた。 ※敬愛する大西巨人氏のひそみにならい(いつもどおり内容には大きな落差があるが、形式だけを見習って)、以下に長々と引用する。 ◇哲劇メモ > [文学][マ][メモ] みそつかす(2005年7月19日)腹が立ってしかたがない…

語りと断念

思考可能なものたち、それはすなわち語りうるものたちのことだ。それゆえ、思考可能性の変化とは、語りうるものたちの変化にほかならない。語りうるものの領域が変化する。しかし、その変化を語ることはできない。ただ、変化しつつ語り続けること。なるほど…

ABC@六本木

元同僚(現友人)と六本木で昼飯。そのときに立ち寄った青山ブックセンターで購入した新刊3冊。 ジョルジョ・アガンベン『バートルビー――偶然性について』高桑和巳訳、月曜社、2005 バートルビー―偶然性について [附]ハーマン・メルヴィル『バートルビー』…

野矢茂樹氏の新著

野矢茂樹『他者の声 実在の声』産業図書、2005 他者の声 実在の声作者: 野矢茂樹出版社/メーカー: 産業図書発売日: 2005/07メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (24件) を見る いつの間に……。 哲学を読む愉しみ哲学する愉しみ言語、思考、無…

カトリーヌ・マラブーさん送別会

上野公園の料亭にて。20日間つづいたマラブー祭りもいったん終了。いまごろは空の上だろうか。A bientot. 壁一面の窓から不忍池弁天堂をのぞむ。◇哲劇メモ > [イベント][脳科学][哲学][メモ] マラブー女史来日(1)(20050705)http://d.hatena.ne.jp/clinam…

『社会研究の哲学』読書会

14時〜18時@白山 John Hughes and Wes Sharrock, The Philosophy of Social Research (Third Edition), Longman, 1997 The Philosophy of Social Research (Longman Social Research Series)作者: John A. Hughes,W. W. Sharrock出版社/メーカー: Routledge…

「言語の論理的分析による形而上学の克服」

ルドルフ・カルナップ「言語の論理的分析による形而上学の克服」内田種臣訳、『カルナップ哲学論集』永井成男、内田種臣編訳、紀伊國屋書店、1977 カルナップ哲学論集作者: ルドルフ・カルナップ,永井成男,内田種臣,内井惣七出版社/メーカー: 紀伊国屋書店発…

カルナップ

ルドルフ・カルナップ「言語の論理的分析による形而上学の克服」内田種臣訳、『カルナップ哲学論集』永井成男、内田種臣編訳、紀伊國屋書店、1977 カルナップ哲学論集作者: ルドルフ・カルナップ,永井成男,内田種臣,内井惣七出版社/メーカー: 紀伊国屋書店発…

カルナップほか

明日の某研究会のために資料作成。主役はこれ。 ルドルフ・カルナップ「言語の論理的分析による形而上学の克服」内田種臣訳、『カルナップ哲学論集』永井成男、内田種臣編訳、紀伊國屋書店、1977 カルナップ哲学論集作者: ルドルフ・カルナップ,永井成男,内…