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哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

仰木彬氏

ニュース 訃報 随想 野球

オリックス監督の仰木彬氏が死去
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051215-00000016-yom-spo
プロ野球近鉄オリックスで監督を務めた仰木彬(おおぎ・あきら)さんが15日、福岡県内の病院で死去した。70歳だった。(中略)
監督としての通算成績は近鉄オリックス時代の14年間で988勝815敗53引き分け。勝率5割4分8厘。(読売新聞)

数年前、遊説中(?)の仰木氏が田舎のわたしの実家(焼肉屋)にやってきた。なんであんな小さな店に立ち寄ったのだろうと思うのだが(田舎にだって焼肉屋はたくさんあるだろうに)、地元のだれかが紹介してくれたのだろう。とにかくやってきた。

せっかく有名人が来店したのだからと、色紙にサインをしてもらおうとしたのだが、肝心の色紙がない(ふだん有名人が来店するなんてことはないし、自分で色紙を使うなんてことはさらにないし)。

ちょうど妹が帰省中だった(実家ちかくの病院で出産予定だったのである)。店は母がひとりで切り盛りしているので手が離せない。というわけで、妹が色紙を買いにいくことになった。

妹は大きなお腹をかかえ、まずは近所の雑貨屋におもむいた。当然徒歩である。なかった。さらに歩いて小さなスーパーに行った。売り切れ中であった。またさらに歩いて大きなスーパーに行った。そこでやっと見つかった。

そのときの妹は身重というか、もはや出産直前――いつ生まれてもおかしくない――であった。あの徒競走――もたついているうちに仰木氏が帰ってしまったら元も子もない――は、妹には相当こたえたにちがいない(妹よ、おつかれさまであった)。

妹が予定日より数日はやく出産することになったのは、この仰木氏色紙事件のせいにちがいないと、わたしはいまでもかたく信じている(といって、なにも彼に恨みがあるわけではない。母子ともに無事な出産だったのだから)。

と、まるで見てきたように語ってきたが、そのときわたしは残念ながら東京にいた(その場にいたらわたしが色紙を買ってくればよいだけのことだ)。すべて、のちに母と妹から聞いた話である。母は、「かっこよかったわぁ」とうれしそうに語った。

氏のサインは、いまでも店の壁に飾ってある。

以上、仰木彬氏にまつわる思い出話。

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