哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

第1回――内田魯庵


冒頭の回想文「銀座と築地の憶出」を一段落ずつ音読しながら、ツッコミ入れたり質問したり解説したり感想いったりしてゆっくりと進んでいく。その際、江戸地図、明治地図、現代地図をトレーシングペーパーで重ね合わせて、魯庵が言及している場所を確認していく(江戸東京アースダイバー)。2時間で4頁も進んだわけですよ!(サンボマスター

今回メンバーに与えられた課題。

  • 「どーせ赤ゲットだよ!」と逆ギレしてみる
  • 「固陋の旧弊頭め!」と罵倒してみる
  • 「神武以来」「難有味」を使ってみる
  • 「公園の六区」(p.12)を調べる

小ネタ集。

  • 江戸の見世物空前の大のブーム=リアル象(長崎経由)
  • 奈良の大仏」原寸大模型の驚異=脅威
  • 明治の擬洋館のおもしろさ
  • 「覗き眼鏡」を江戸東京博物館で見たとの証言(いまもあるかな?)
  • 北海道の赤ゲット
  • 「堀は埋めないとつくれない」(使う場所のない警句)
  • 魯庵の新しさ」――これを、同書解説文にあるように「二重性」とか「ダブル・ヴィジョン」とか「○と△と□の〈あいだ〉(=トランスクリティーク)」とかと形容すると、それは魯庵の「永遠の(=無敵の)新しさ」になる。それはそれで(多くの作家にあてはめることができて=便利で)けっこうなことだが、わたしのほうはといえば、「魯庵の‐文章の‐時代性をもった‐いつかは古びるかもしれない‐新しさ」を考えてみたかったのだということに気づいた。これは、O氏が出してきた「商人性」「マーケティング性」のことかもしれない。

◇武蔵野人文資源研究所日報
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