哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

女学生とはなにか

大正から昭和初期にかけての優美な乙女たちの世界において、〈女學生〉とはおおまかに女子学生を指すのではなく、〈高等女學校に通っていた學生〉を指す。

女学生ライフを理解するためのキーワードのひとつに〈エス〉があり、これは女学校における上級生と下級生との甘やかな交流を指す。

その交流にはもっぱら〈手紙〉+〈靴箱〉が用いられ、エス同士が交換する手紙は〈Sレター〉と呼ばれる。

とりあえずの参考図書として、元祖乙女のカリスマ作家・吉屋信子の初期作品に現代乙女のカリスマ作家・嶽本野ばらが監修・解説をほどこした『屋根裏の二處女』、ならびに、現在「大正・昭和 女學生らいふ 展」を開催中の弥生美術館(&学芸員内田静枝氏)が編集した『女學生手帖――大正・昭和 乙女らいふ』の二点を。

女学生手帖―大正・昭和乙女らいふ (らんぷの本)

女学生手帖―大正・昭和乙女らいふ (らんぷの本)

屋根裏の二処女 (吉屋信子乙女小説コレクション)

屋根裏の二処女 (吉屋信子乙女小説コレクション)

◇弥生美術館・竹久夢二美術館
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/