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哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

Violoncello


翻訳作業。

今日買ってきたCDをさっそくBGMに。バロックチェロを操る鈴木秀美氏の「無伴奏チェロ組曲」(J・S・バッハ)である。これが2度目の録音。

バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)

バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)

バロックチェロとは、その名のとおりバロック期のチェロのこと。現代のチェロとの違いのうち素人のわたくしにもすぐにわかる点といえは、エンドピンがない(両脚で挟んで弾く)ことと、弦がスチールではなくガット(羊腸)であることだろうか。それと弓のかたち。

バロックチェロによる「無伴奏チェロ組曲」を聴いたのは今回が初めてであった。ゆっくりと立ち上がる音がやさしくて心地よい。使用楽器は下記のとおり。

チェロ:アンドレア・アマティ(?クレモナ1570年頃?)

第6番:5弦のチェロ・ピッコロ(作者不詳18世紀前半ドイツ)

弓:ルイス=エミリオ・ロドリゲス(1995年デン・ハーグ

今回はDSDレコーディング/4.0chマルチ(サラウンド)を含むSACDハイブリッド盤と、ずいぶん録音にも凝っている。もっとも、わたくしの貧弱な音響環境では高音質もそれほど意味がないのだが...

下記はCDと同時に発売されたエッセイ集。自筆譜が失われ、それぞれ大きく異なった4種類の筆写譜が現代に残された「無伴奏チェロ組曲」だが、同書にはこの大作をどのように解釈し、弾きこなすかについての考察と試行錯誤の模様も記されていて、じつに興味深い。今回の録音に結実した鈴木氏の試みの舞台裏を垣間見た気になる。

  • 鈴木秀美『ガット・カフェ――チェロと音楽をめぐる対話』東京書籍、2005
ガット・カフェ―チェロと音楽をめぐる対話

ガット・カフェ―チェロと音楽をめぐる対話

下記は前回の録音(1995年録音)と前著。鈴木氏の著作を初めて読む場合にはこちらからのほうがいいかもしれない。

バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲

バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲

増補改訂版『古楽器』よ、さらば!

増補改訂版『古楽器』よ、さらば!

鈴木秀美 - 公式サイト。
http://www.hdm-olc.com/hdm/index.html