哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

きみのことならすべてお見通しだ(読心術により)

近所の書店で会計をしているとき、レジ横に積まれている本に目がとまった。

『スナップ・ジャッジメント――瞬間読心術』

フム。相手の心を読むのだな。しかも瞬間的に。

本の帯には右のような画像が……。思わずレジの人の顔を見つめてしまった(失礼)。とくに嫉妬深いわけでもなければ自制心が強すぎるわけでもないようだ(さらに失礼)。

画像の横にはこう書いてある。

初対面の相手の
“個人情報”から
性格・思考を
即座に見抜く!

瞬間読心術により嫉妬深いわけでもなければ自制心が強すぎるわけでもないことが即座に見抜かれてしまったその店員に会計を中断してもらい、うしろの帯を見てみる。すると、なんとも衝撃的な命題たちが並んでいるではないか。

■丸顔の人→迷信的
■まぶたが厚ぼったい→嫉妬深い
■耳が小さい→臆病で粘り強さに欠ける
■あごの先がほっそりしている→創造力豊かなアイデアマン
■「でも」が口ぐせ→超保守的

命題群の上には、さらにおそろしいことが書いてある(ゴチック体)。

相手がトイレに立ったすきに、懐から取り出してお使い下さい

ウーム。相手の一瞬のすきを突いてこの本を懐(ってどこだ)から取り出し適切な箇所を参照するなどという高度な技が、はたしてわたくしなんぞに可能なのだろうか。

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そうか。読心術より先に、まずは速読術か!(違

スナップ・ジャッジメント瞬間読心術 (光文社新書)

スナップ・ジャッジメント瞬間読心術 (光文社新書)