哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

◆「とってはばなし」

先生――(中略)でも、哲学をするなら、まず最初に、教え込まれてきた「とってはばなし」を撥ね返さなきゃだめさ。「とっては」成立以前の「端的に」の観点に立って、意図的にそこに固執して、そこから「とっては」性の構造を観察できるように、自分に逆向きの教育を施さないと。

永井均『転校生とブラックジャック――独在性をめぐるセミナー』岩波書店、2001、p.93