哲劇メモ

吉川浩満(@哲学の劇場)の日々の泡

歴史

不敬文学、『源氏物語』

恒例の「本日の朝刊」コーナー(嘘)、今日は『朝日新聞』から。 「不敬文学と呼ばれた昭和10年代――源氏物語 あちこち「削ル」」、『朝日新聞』朝刊、2006年5月31日 1939〜1941年(昭和14〜16年)に刊行された『潤一郎訳源氏物語』(「旧訳」)の成立過程。…

第○回――『明六雑誌』第一號、読了

※「明治賢人研究会」は、武蔵野人文資源研究所の公式分科会です。第何回か忘れてしまった。 西村茂樹「開花の度に因て改文字を発すべきの論」、『明六雑誌』上巻、岩波文庫、1999 明六雑誌 (上) (岩波文庫)作者: 山室信一,中野目徹出版社/メーカー: 岩波書店…

大審問官スターリン

『磔のロシア――スターリンと芸術家たち』『熱狂とユーフォーリア――スターリン学のための序章』につづく、亀山郁夫氏のスターリノロジー最新刊。 亀山郁夫『大審問官スターリン』小学館、2006 大審問官スターリン作者: 亀山郁夫出版社/メーカー: 小学館発売日…

『自然の占有』c/w高山宏@『図書新聞』

高山宏「P・フィンドレン『自然の占有』を読む――あらゆる分野の「結び目」」、『図書新聞』2006年1月28日号、図書新聞 サブタイトルは「人文学復活の実験場――それは十年前に始まった」。他人語りと自分語りと人文語りがギリギリの筆(舌?)の滑り加減でもっ…

第9回――明六社と『明六雑誌』

※「明治賢人研究会」は、武蔵野人文資源研究所の公式分科会です。 『明六雑誌』上巻、岩波文庫、1999 明六雑誌 (上) (岩波文庫)作者: 山室信一,中野目徹出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1999/05/17メディア: 文庫 クリック: 14回この商品を含むブログ (9件…

東アジアにおける法・歴史・暴力

シンポジウム「東アジアにおける法・歴史・暴力」http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/forthcoming.html 日時:2006年1月6日(金)13:00-17:00/1月7日(土)9:00-17:20/1月8日(日)9:00-17:00場所:東京大学大学院数理科学研究棟・大講義室主催:東京大学21世紀C…

文明崩壊

ジャレド・ダイアモンド『文明崩壊――滅亡と存続の命運を分けるもの』楡井浩一訳、草思社、2005 文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)作者: ジャレド・ダイアモンド,楡井浩一出版社/メーカー: 草思社発売日: 2005/12/21メディア: 単行本購入: 19人 ク…

戦略書徹底ガイド

いただきもの。 有坪民雄、守屋淳『最強! 戦略書徹底ガイド』ソフトバンククリエイティブ、2005 最強!戦略書徹底ガイド作者: 有坪民雄,守屋淳出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2005/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (10件) を見…

第8回――内田魯庵

※「明治賢人研究会」は、武蔵野人文資源研究所の公式分科会です。 内田魯庵「下谷広小路」、『魯庵の明治』山口昌男、坪内祐三編、講談社文芸文庫、1997 魯庵の明治 (講談社文芸文庫)作者: 内田魯庵,坪内祐三出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/05/09メデ…

美の歴史

あーあ、買ってしまった。 ウンベルト・エーコ編著『美の歴史』植松靖夫監訳、川野美也子訳、東洋書林、2005 美の歴史作者: ウンベルトエーコ,Umberto Eco,植松靖夫,川野美也子出版社/メーカー: 東洋書林発売日: 2005/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック:…

アウシュヴィッツの〈回教徒〉

熱烈に推薦され、「読まなきゃ」と手にとる。 柿本昭人『アウシュヴィッツの〈回教徒〉――現代社会とナチズムの反復』春秋社、2005 アウシュヴィッツの〈回教徒〉?現代社会とナチズムの反復作者: 柿本昭人出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2005/10メディア: 単…

明治のことば

斎藤毅『明治のことば――文明開化と日本語』講談社学術文庫、2005 明治のことば (講談社学術文庫)作者: 齋藤毅出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/11/11メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブログ (6件) を見る こちらは明治賢人研究会の参考文献…

第7回――内田魯庵

※「明治賢人研究会」は、武蔵野人文資源研究所の公式分科会です。 内田魯庵「下谷広小路」、『魯庵の明治』山口昌男、坪内祐三編、講談社文芸文庫、1997 魯庵の明治 (講談社文芸文庫)作者: 内田魯庵,坪内祐三出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/05/09メデ…

『ドイツロマン主義とナチズム』

版元品切中のプレスナー本、古書店にてようやく入手。お安くしていただきありがとうございました。>古書店さま ヘルムート・プレスナー『ドイツロマン主義とナチズム――遅れてきた国民』松本道介訳、講談社学術文庫、1995 ドイツロマン主義とナチズム―遅れて…

第6回――内田魯庵

※「明治賢人研究会」は、武蔵野人文資源研究所の公式分科会です。前回めでたく「銀座と築地の憶出」が終了。今回から「下谷広小路」へ突入。 内田魯庵「下谷広小路」、『魯庵の明治』山口昌男、坪内祐三編、講談社文芸文庫、1997 魯庵の明治 (講談社文芸文庫…

〈ユダヤ人〉という存在

先月のことになりますが。 池内紀『〈ユダヤ人〉という存在 池内紀の仕事場2』みすず書房、2005 “ユダヤ人”という存在 (池内紀の仕事場 2)作者: 池内紀出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2005/09/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含む…

第4回――内田魯庵

※「明治賢人研究会」は、武蔵野人文資源研究所の公式分科会です。あいかわらず内田魯庵「銀座と築地の憶出」。今日は4ページ弱も進んだ。 内田魯庵「銀座と築地の憶出」、『魯庵の明治』山口昌男、坪内祐三編、講談社文芸文庫、1997 魯庵の明治 (講談社文芸…

第3回――内田魯庵

※「明治賢人研究会」は、武蔵野人文資源研究所の公式分科会です。あいかわらず内田魯庵「銀座と築地の憶出」。今日は5頁進んだ。 内田魯庵「銀座と築地の憶出」、『魯庵の明治』山口昌男、坪内祐三編、講談社文芸文庫、1997 魯庵の明治 (講談社文芸文庫)作者…

私はもうこれ以上の*は書かない。

※タイトルの「*」はワイルドカードの「*」です。『朝日新聞』の広告をボーッと眺めていたところ思わず瞠目。 私はもうこれ以上の信長は書かない。 作者の津本陽氏のお言葉。宣伝文には、「名著『下天は夢か』から十六年。ついに明かされる信長、最後の野望…

茶話

話し出すと止まらない。それが茶話。読み出すと止まらない。それが『茶話』。 薄田泣菫『茶話』岩波文庫 茶話 (岩波文庫)作者: 薄田泣菫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1998/07/16メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (13件) を見…

季刊『インターコミュニケーション』(Autumn 2005)

特集は「戦後60年 戦争と平和のメディア――歴史・記憶・表象の動態」。 『InterCommunication』特集*戦後60年 戦争と平和のメディア――歴史・記憶・表象の動態、Autumn 2005(no.54)、NTT出版http://www.ntticc.or.jp/Publication/Icm/index_j.html 冒頭のカ…

第2回――内田魯庵(再)

※「明治賢人研究会」は、武蔵野人文資源研究所の公式分科会です。 内田魯庵「銀座と築地の憶出」、『魯庵の明治』山口昌男、坪内祐三編、講談社文芸文庫、1997 魯庵の明治 (講談社文芸文庫)作者: 内田魯庵,坪内祐三出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/05/0…

対話の回路

小熊英二『対話の回路――小熊英二対談集』新曜社、2005 対話の回路―小熊英二対談集作者: 小熊英二出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2005/07メディア: 単行本 クリック: 24回この商品を含むブログ (59件) を見る 帰りの電車内で急いでふたつの対談を読む。下記…

第1回――内田魯庵

※「明治賢人研究会」は、武蔵野人文資源研究所の公式分科会です。 内田魯庵「銀座と築地の憶出」、『魯庵の明治』山口昌男、坪内祐三編、講談社文芸文庫、1997 魯庵の明治 (講談社文芸文庫)作者: 内田魯庵,坪内祐三出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/05/0…

[新刊]我、拗ね者として生涯を閉ず

本田靖春『我、拗ね者として生涯を閉ず』講談社、2005 我、拗ね者として生涯を閉ず作者: 本田靖春出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/02/22メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (19件) を見る ジャーナリスト、本田靖春(1933-2004)。わ…

杉浦日向子さん死去

杉浦日向子さんが死去http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050725-00000011-yom-soci江戸情緒豊かな漫画やエッセーで知られた江戸風俗研究家の杉浦日向子(すぎうら・ひなこ)さんが22日午前4時32分、下いん頭がんのため千葉県柏市内の病院で死去した…

第0回開催

スコブル愉快。所長(id:aquirax)を焚きつけて開催した甲斐があった。 ※「明治賢人研究会」は、武蔵野人文資源研究所の公式分科会です。「第0回」の今回は所長の明治小噺と、明治諸賢人の紹介など。次回(第1回)からは具体的にテキストを繙読しながら談話…

西周と日本の近代

学姉が本を送ってくれた。 島根県立大学西周研究会『西周と日本の近代』ぺりかん社、2005 西周と日本の近代作者: 島根県立大学西周研究会出版社/メーカー: ぺりかん社発売日: 2005/05メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 7回この商品を含むブログ (3件) を…

女学生とはなにか

大正から昭和初期にかけての優美な乙女たちの世界において、〈女學生〉とはおおまかに女子学生を指すのではなく、〈高等女學校に通っていた學生〉を指す。女学生ライフを理解するためのキーワードのひとつに〈エス〉があり、これは女学校における上級生と下…

古本×3

病院帰りに立ち寄った古書店にて。 J・J・ギブソン『ギブソン心理学論集 直接知覚論の根拠』境敦史、河野哲也訳、勁草書房、2004直接知覚論の根拠―ギブソン心理学論集作者: ジェームズ・ジェロームギブソン,エドワードリード,レベッカジョーンズ,James Jerom…